Research

卒業研究

2023度は以下のような課題を考えています。

  1. 情報熱力学的スピントロニクスの研究 スキルミオンブラウニアン計算機/スキルミオン情報熱機関/磁気スキルミオンの質量の探求
  2. スキルミオン・磁化ダイナミクスの研究 電圧によるスキルミオンの高速制御/情報熱力学的磁界センサーなど

本研究室は原則2025年3月で終了となります。2024年度の修士課程・博士課程の募集はしない予定です。

Reaserches in our group

私たちの研究室では「電荷」と「スピン」の物性が絡み合う現象をナノの世界で巧みに実現する 「ナノスピントロニクス」の創成とその発展を目指します。

We create and develop the research field of “nano-spintronics”, in which the two possessions of an electron, “charge” and “spin”, are utilized simultaneously to actualize novel phenomena.

スピントルクデバイス/Spin torque device

スピン偏極電流による強磁性体の磁化制御は伝導電子と局在電子の角運動量保存則により説明されます。スピントルクデバイスは次世代エレクトロニクスデバイスとして注目を集めています。

最近、私たちのグループでは熱に起因する新しいトルクを用いてマイクロ波を増幅することに成功しました。

Magnetization control using spin-current is explained by total angular motemtum conservation in s-d electron system. The spin-torque device is a candidate of the more than Moore device.

Recently, we have suceeded in an amplification of rf signal using newly found “heat induced” spin-torque.

  • スピントルク自励発振による高出力マイクロ波発振/Microwave generation using a magnetic tunnel junction (Nature Physics, 2009)
    半導体ダイオードより感度が大きなスピントルクダイオードを実現/Large rectification sensitivity in the spin-torque diode (Nature Materials, 2014)
    熱トルクによる高周波の増幅/RF amplification using heat induced spin-torque (Nature Nanotechnology, 2019)
  • トポロジカル絶縁体へのスピン軌道トルク/Spin-orbit torque in the topological insulator (Nanoletters, 2020)
  • スピンボロメーター/Spin-bolometer (Nature Communications, 2021)

電圧誘起磁気異方性制御/Voltage control of magnetic anisotropy (VCMA)

「電流が作る磁界」や「スピン偏極電流」に替わる新たなスピントルクとして私たちは電圧による磁化制御に挑戦し、世界に先駆けて室温の固体素子における制御に成功しました。

物質界面のスピン軌道相互作用により発現する垂直磁気異方性は電圧で制御することができ、これを原理とする新規スピントルクにより大幅な低消費電力化が可能となります。

We have suceeded in controlling the interfacial magnetic anisotropy, wich is induced by the spin-orbit interaction, by an application of a voltage.

強磁性体を用いた脳型計算とブラウニアン計算/Neuromorphic and Brownian computation using magnetic nano-structures and skyrmions

ナノスケールの強磁性セルの磁気的相互作用により生じる非線形なダイナミクスを利用したスピングラス/アイス脳型計算器を研究開発します。
また、熱エネルギーを最大限に利用したブラウニアン計算の研究を行います。

We investigate spin-glass/spin-ice neuromorphic computer, which utilize magnetic coupling between nano-sized magnetic cells and its non-linear dynamics.